魚類の目・耳・脳

魚類の目は人間の「目玉」のように丸いが、黒目が移動するということがなく、固定されている。動かせても、ピクッ程度しか移動しない。まぶたもないが、ゼラチン板のような柔らかな透明な膜で覆われている。瞳孔は開いたままで固定されている。目を取り囲む銀色の膜が虹彩で、爬虫類の目にあるあの銀色の膜である。

透き通った水晶体をよく眺めてみると、球形のレンズが浮いている。タイなどの大きめの魚類で見ると、美しいものである。屈折率の異なるレンズが、ゼリー状の水晶体に浮き、きらめいている。

脊椎動物である魚類には、中央神経系、つまり脳がある。眼球からは、白く柔らかな視神経がクロスして脳につながっている。 耳は、脳の下にある。平衡を保つための耳石を収納する部屋が左右にあって、炭酸カルシウムでできた耳石がはまり込んでいる。